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鳥つながり

日本舞踊 長唄「鷺娘」は、女形の美しさを極めた名曲のひとつにあげられる演目です。

そもそも「鷺娘」とは、人間なのか、鳥なのか。

とても興味深いところですよね。

鳥つながりという意味でいえば、日本舞踊のなかで鷺娘以外に、鳥を題材とした代表的なものに「鴛鴦[おしどり]」があります。

この「鴛鴦」は、本名題を『四十八手恋所訳[しじゅうはってこいのしょわけ]』といい、上・下の二巻構成になっています。

上の巻を「相撲」、下の巻が「鴛鴦」となっています。

この演目のあらすじは、上の巻で双六によって傾城喜瀬川[けいせいきせがわ]を取り合って、河津三郎に敗れた股野五郎が、

下の巻で、「鴛鴦は雌雄の仲がよく、雄を殺すと雌は狂って死んでしまう」と言い伝えを信じて、 鴛鴦の雄を殺してその血を河津三郎に飲ませようとします。もちろん鴛鴦の雌は悲しんで、河津の姿を借りて出てきた雄とともに、 股野五郎に襲い掛かる、という内容です。

この演目では、河津の姿を借りて鴛鴦の雄という鳥の精が現れます。この幻想的な設定は、 なんとなく鷺娘にも似ているところがあるのかもしれません。

河津の姿を借りた鴛鴦の雄の姿は、人間なのか鳥なのか、どちらかを定義する事にも決め付けたりする事にも、 あんまり意味が無いような気がしてきます。

「鷺娘」にしても、「鴛鴦」にしても、人間と鳥という両方の性質が混ざり合いながら、日本舞踊として成立していく。

そんなところが、現実離れしたエンターテインメントとして面白いところ、という見方をするのもいいのではないでしょうか。